昨日の続きを報告します。
次の質問は、原子力災害時に避難を優先すべき、妊婦や授乳婦、乳幼児およびその保護者、そして安定ヨウ素剤の服用ができないと医師が判断した人たちの避難についてです。
原子力規制庁によると、原子力施設から概ね半径5キロ以内のPAZでは、妊婦や乳幼児など優先的に避難させる人たちは、施設から外へ放射性物質が出る前に避難しなければならないとなっています。
しかし、磐田市のように原子力施設から概ね半径31キロ以内のUPZでは、施設から外へ放射性物質が出た後、市内で高い空間線量率が計測され、住民に放射線による影響が生じるようになった地区を国が特定し、指示を出し、避難することとなっています。
ここでは、妊婦や乳幼児など優先的に避難させる人たちへの対応が記載されていません。
これは、本市の原子力災害広域避難計画においても同様です。
放射性ヨウ素による甲状腺がんの発症リスクは、18歳未満の者では成人の3倍になり、特に6歳未満の乳幼児は、チェルノブイリ原発の事故後の調査により、甲状腺がんが多発していると報告されています。
また、様々な種類の放射性物質が拡散されることを考えると、被曝を避けるためには放射性物質から「離れる」ことが重要になります。
木造住宅への屋内退避では、完璧な遮蔽しゃへいはできません。
市内で暮らす妊婦や乳幼児などを被曝から守ることは、どのように考えられているのでしょうか。
原子力災害時は、子どもたちの健康被害を防ぐことが最も重要になります。
本市でも、PAZと同様の段階で妊婦や乳幼児などを優先的に避難させる必要があると考え、見解を伺いました。
<市長答弁>
原子力災害による避難は、福島第一原子力発電所の事故の検証を踏まえて作成をされた
「原子力災害対策指針」に基づき、事故の状況や放射性物質の測定結果により、段階的に行われることとなります。避難のタイミングは、国からの指示に基づき実施されるため、本市独自に避難基準を設定することは考えておりません。
<やえこの視点>
国が決めたように段階的な避難をするということは、UPZ内の人たちは、PAZ内の人たちの避難が終わるまで「屋内退避」して待っているということです。
地震との複合災害だった場合、能登半島のように住宅が倒壊することも考えられるし、
避難経路が無事かも分かりません。
屋内退避した場合、完璧な遮蔽ができないだけではなく、外気を遮断するためエアコンや換気扇を止めなければならないことも問題です。真夏だったらゾッとしますね。
大切な子どもたちを被曝から守るためには、やはり、原子力施設から放射性物質が放出される前に避難をすることが必要だと私は考えますが、あなたはどう考えますか?
●磐田市原子力災害広域避難計画(令和3年10月修正)
●原子力防災のしおり(静岡県 平成30年10月)
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/030/332/gensiryokusiorih30.pdf
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