今回の代表質問では、原子力災害から市民を守る対策と不登校児童生徒を誰一人取り残さない学びの場の2点について伺いました。
まずは「誰一人、被曝させないための原子力災害対策」について報告します。
磐田市の多くは、浜岡原子力発電所から31キロ圏内(UPZ)に位置する地域で、ここには
人口の約74%にあたる124,425人(令和3年6月末現在)が住んでいます。
UPZとは、浜岡原子力発電所で事故が起こり、放射性物質が放出された場合、被曝を防ぐために防護措置を取らなければならない地域を指します。
原子力発電所で事故が起き、拡散された放射性物質が体内に入った場合、一般財団法人日本原子力文化財団などからは、次のように報告されています。
・プルトニウムは、肺がん、白血病、骨腫瘍、肝がんなどを引き起こす可能性がある。
・放射性セシウムは、様々ながんの危険性が高まる。
・放射性ヨウ素は、甲状腺がんを発症させる恐れがある。
・放射性ストロンチウムは、白血病の可能性が高まる。
私たちには、健康を守るために被曝を避ける権利があります。
そして、大人は被曝による健康への影響が大きい子どもたちを守る責任があると考えます。
今年11月、政府は「安全性が確保された原子力発電は、最大限の活用を進める」と発表しました。
10月には、東日本エリアで初めて女川原発が再稼動を始めました。
先日は、浜岡原発3、4号機の再稼働に向けたプラント審査の開始が決定し、中部電力が「1日も早い合格を目指したい」との考えを示したという報道がありました。
浜岡原発が再稼働することについては、たくさんの市民が反対しています。
もちろん、私も反対です。
浜岡原発で大規模な事故が発生し緊急事態となった場合に、住民等が混乱なく行動できるようにするためには、本市の原子力災害広域避難計画に基づいた行動を住民等に周知し、検証する必要があると考えます。
その方法として、様々な年代や障がい者、外国人などを含む住民等を対象とした原子力防災に関する丁寧な説明会と実効性のある訓練を実施する必要があると考え、見解を伺いました。
<市長の答弁>
「原子力災害に対する市民の理解と意識の向上が重要なため「原子力災害避難ガイドブック」を今年度に作成し、全戸配布をする予定です。市民の理解が進んだ上で、説明会や避難訓練の実施を検討していきます」
再質問で、説明会や訓練は、どのように行われるのか詳細を伺いました。
<危機管理監の答弁>
「具体的な事はこれからになります。ガイドブックを配布後、どのぐらいの単位で今後、説明会や訓練をやるのが、1番効果的であるかということ判断しながら決めていきたいと思います」
<やえこの視点>
福島原発事故から13年が経過しています。UPZに位置しながらも、本市の原子力災害対策があまり進んでないことを実感しました。(もちろんこれは、県や国の対応が影響しているとも思いますが…)
柏崎刈羽原発からUPZ圏内にある新潟県長岡市では、2013年から原子力防災訓練を実施しています。初めての訓練では、市民6,300人を対象にラジオやメール、広報車などを使って屋内退避の指示を出す情報伝達訓練、情報を受けた住民が行う屋内退避訓練、そして、気象台の指導を受けながら避難先を決定し、自家用車やバスなどで要援護者100人を避難させる訓練などが行われたそうです。
「この訓練で住民の意識がより高まったと感じる」という参加者の感想がありました。
このように市民が原子力災害を自分ごととして考えるようになることも必要ですね。
南海トラフ地震がいつ発生するかわからない今、市は、市民を被曝させないための対策をしっかり考え、周知・啓発を図り、訓練による検証と対策の改善に努めて欲しいと考えます。
次の質問は、明日報告します。
お読みいただき、ありがとうございました。
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